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奇術師/クリストファー・プリースト

〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT) Book 〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)

著者:クリストファー・プリースト
販売元:早川書房
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北イングランドに赴いたジャーナリストのアンドルーは、彼を呼び寄せた女性ケイトから思いがけない話を聞かされる。おたがいの祖先は、それぞれに“瞬間移動”を得意演目としていた、二十世紀初頭の天才奇術師。そして、生涯ライバル関係にあった二人の確執は子孫のアンドルーにまで影響を与えているというのだが…!?二人の奇術師がのこした手記によって、衝撃の事実が明らかとなる!世界幻想文学大賞受賞の幻想巨篇。 【BOOKデータベースより】

これは、ぶっ飛びました。単純な奇術師の相克の話。と、思っていたのは大きな間違いでした。中盤から、物語は意外な方向に動き出します。それをストレートに書けないのは、ミステリーの要素が強すぎる話だからなんですね。

話は、あらすじにもある通り、ほぼ現代から始まります。アンドルーは、自分を呼び寄せた、ケイト・エンジャという女性から、意外な事実を知らされます。二人の祖先は、お互いにライバル同士の奇術師だったと。お互いが憎んでいたことを知らされます。そして、今もそれは影響を及ぼしていることを。

そこから、ほぼ100年前にさかのぼっていきます。アルフレッド・ボーデンと、ルパート・エンジャの奇術をめぐる因縁の日記が綴られていくのです。この日記が実にうまい。ボーデンとエンジャの人生がそれぞれの思いと、駆け引き、そして復讐の思いが交差していくんですね。それは、ちょっとしたボタンの掛け違いだったかもしれませんが。

でもでも、うまさを感じつつ、わたしは解らなかったのが残念です。ひとつはボーデンの新・瞬間移動の真相は何だったのだろうということ。そして、もう一つはラスト。縁者の残した奇術の真相と、現代に及ぼした影響がアンドルーとケイトにどう結びついているのか、さっぱりわかりませんでした。一重に読み手の問題だと思うのですが…。確かに構成とかストーリーは面白いんです。ですが、わたしにとって、この作品は奇術(マジック)そのものだと言ってもいいものでした。

誰か解説してほしい作品です。他人任せなんですが。でも面白い作品には間違いありません。

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