« バガボンド(29)/井上雄彦 | トップページ | 大地の子(2)/山崎豊子 »

大地の子(1)/山崎豊子

大地の子〈1〉 (文春文庫) Book 大地の子〈1〉 (文春文庫)

著者:山崎 豊子
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

陸一心は敗戦直後に祖父と母を喪い、娘とは生き別れになった日本人戦争孤児である。日本人であるがゆえに、彼は文化大革命のリンチを受け、内蒙古の労働改造所に送られて、スパイの罪状で十五年の刑を宣告された。使役の日々の中で一心が思い起こすのは、養父・陸徳志の温情と、重病の自分を助けた看護婦・江月梅のことだった。【BOOKデータベースより】

SNSの「やっぱり本を読む人々」のコミュ「100冊文庫企画」で推薦された作品です。この作品は、なぜか途中止めになっていました。いい機会なので、読み返すことに。
これが、読ませる。そして、泣いた。

4巻なのでまだ先がありますので、1巻だけ読んで、感想は難しいのですが記録のため、思ったことを書いておきますね。

1945年8月9日、ソ連の満州侵攻が陸一心の運命を変えていきます。ソ連の虐殺、真空地帯での飢えと略奪。それは、とても悲惨であり、凄惨です。しかし、この物語は、ほぼ正確です。山崎さんは、綿密に取材をされ、当時の状況などを語り部となって、伝えているかのような作風です。
何とか生き延び、陸徳志に拾われ、中国人親子としてして生きるのだが、成長した陸一心にとって、それはとてつもない苦難でした。日本人の子であるがゆえ、虐げられ、あたかも文化大革命の時期、日本人のスパイ容疑で労働改造所送りとなってしまいます。これが、また過酷。ほとんど、犯罪者扱い。そこで出会った看護士により、陸徳志に手紙が届けられます。

何と過酷な運命なんでしょうか。戦争とは、家族を引き離してゆくもの。そして、軍隊とは民衆を守ることではないんですね。関東軍は、置き去りにしていち早く撤収するんです。決して砦にはなってくれなかったんです。

満州国を建設した動機。中国人に対して行った略奪行為、そしてそれが根強い反日感情になっていることを痛感。あらためて、日本人として、忘れてはいけないことなんですね。そういうことを思いつつも、第1巻は陸徳志と一心の親子愛に泣けました。特に一心が「爸々」(パーパ)と初めて呼ぶシーンは泣けて泣けてどうしようもありませんでした。

さて、一心の人生はこれからどうなるんでしょうか。日本の父との再会がまた、泣けそうで。いい本です、これは。

|

« バガボンド(29)/井上雄彦 | トップページ | 大地の子(2)/山崎豊子 »

や行の作家」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/412894/25648733

この記事へのトラックバック一覧です: 大地の子(1)/山崎豊子:

« バガボンド(29)/井上雄彦 | トップページ | 大地の子(2)/山崎豊子 »